初彼=偽彼氏
なんだか女の子達の話を聞くのが嫌になって、その人達の会話と視線から逃げるように……教室に向かって走って。そんな遠くはないんだけど。
……それで今教室に着いて。教室に入ろうと思ったんだけどね……。
――なんか、教室の中が無駄にザワついてて、その時点であたしが入った瞬間、一瞬でみんなの視線を向けられると思うとそれだけで怖いのに。
それに加えて、あたしと神藤くんの騒ぎは多分このクラスにも耳に入ってるだろうから。余計に怖い……
すごい教室に入りにくくて、さっきからドアの前を行ったり来たりしてる。
……ってか、もう時間もヤバいし。
うん、覚悟決めて中入ろ!!
「―――よしっ」
そう言ったと同時に覚悟決めて教室に入った。
――ガラガラ~
――教室に入った瞬間思ってた通り、みんなから一斉に視線を受けた。うん…ダメ、やっぱりこの視線には慣れない。
とりあえず、もう一度呼び出しを教えてくれた瑞穂にお礼を言おうと思って、こっそり手引き寄せた。