初彼=偽彼氏


「……眠くなってきた」


 今日はすっごく天気が良くて、ぽかぽかあったかいから、少し眠い。


 椅子に座り、待っているけど……眠い。


 しばらく時間が経ち、『ねぇ』と、急に誰かに話し掛けられたのは、ちょうどうとうとしかけたときだった。


「――あのさ、起きてる?」


「……ん、」


「――約束の時間って4時で良いんだよね?」


 ……誰? 意識が飛びかけてるあたしは、誰に話し掛けられたかがわからない。


「――ったく、来いって言ったのおまえだろうが。なのになんで寝かけてるわけ?」


「…………」


「全く――おい。起きろ」


 ……段々と聞こえてくる声が小さくなっていたときに、傍にいた誰かに頬をつねられ、その痛みで起きた――というか起こされた。


「……起きた?」


「――ッん~……」


「……立花姫季」


 ――その声に反応し、眠い目をこすり、目を開け、周りを見渡せば。


 「……っ!?」


「――あ、やっと気付いた」


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