初彼=偽彼氏


「あっ、また菜月あたしのことバカって言った!」


「いつものことでしょう?良い加減慣れて欲しいんだけど」


「……っ…慣れろっていう方が難しいよぅ…もう菜月のバカっ」


「あら?わたしは少なくとも誰かさんよりはバカじゃないわよ」


「あーまた言った!違うよ、菜月が頭良すぎなだけだもーんっ♪あたしは普通だもんねっ」


「――うるさいわね、仕方ないじゃない……」


 横目で隣を見ると、さゆと悠華があたし達を見て"うわ~また始まった"って顔でクスクス笑ってるのが見える。


「ちょっと姫聞いてるの?」


「聞いてるっ。……てか!さゆと悠華笑いすぎっ」


「ごめんごめん、二人の言い合い面白くいんだもんっ♪あ…二人とも言い合ってないでお弁当食べよーよ」


「「あ…うんっ♪」」


 そう悠華に促されて。それですぐにあたしの席を囲むように机をくっつけて、椅子に座って。


 "いただきます"ってみんなで言って食べはじめて…。
 そのあと、みんなで今日あった出来事とかを話す、それがあたしのいつものお昼の光景だったのに――…。



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