初彼=偽彼氏
「――でもあなた、今日神藤くんに呼び出しされてたじゃない」
中心的な存在の子が、そんなことを言い放つ。
……どうしても、神藤くんとの関係を疑いたいワケね。
「――で、それがなに?」
呼び出されたからといって、疑われる意味がわからない。
「それがなにって、あなたね……っ」
「――じゃあ聞くけど、仮にあたしと神藤くんの間になにかあったって言ったら、あなた達はどうするの?」
「「「「…………」」」」
黙ってしまう一同…なんでそこで黙るの。
「――ふぅ、めんどくさいな」
…ボソッと周りに聞こえないくらい小さな声でそう呟く。
「まぁでも――疑うのは構わない。べつにあなた達とあたし、全く関係ないし」
……女の子達に真剣な目を向ける。
「――あぁそれから、神藤くん情報なんだけど」
その言葉にパァッと明るい顔になる女の子達。 あたしが今から言う言葉がどんなものなのか、多分わかってない。
「――あなた達に迷惑してるって神藤くんが言ってたよ」
「「「そ、……そんなの嘘っ」」」
――信じられない、といった表情であたしを見つめてくる。