【超!短】何か変な話
『グレーテル、いつものように釜の調子を見てきてくれ。』


お菓子の家の中には、熱々のパンを焼くための大きな大きな釜がありました。



グレーテルは釜を覗くとお婆さんに言いました。


「何だか火の調子が悪いわ。

お婆さん、ちょっと見てくれませんか。」



お婆さんは重い腰を上げて、火がゴウゴウと燃え上がる釜の中を覗きました。



その途端!!


グレーテルは勢いよくお婆さんを釜に押し込み、蓋(フタ)を閉じました。



次の日

ヘンゼルとグレーテルは、ありったけのお菓子と、豪華な財宝を全て手に入れると家へ戻りました。



父親は二人を見ると涙を流して喜びました。

まま母は病気で亡くなっていました。


父親は二人に
「今までどこにいたのか」
「その財宝はどうしたのか」
と尋ねました。



すると二人は、

森の中でお菓子の家を見つけた事


中には恐ろしい魔女がいた事


魔女を退治して財宝を手に入れた事


を話しました。



そして3人は財宝で大金持ちになり、幸せに暮らしました。







ただ父親は、二人の心にポッカリ穴が開いている事には永遠に気付きませんでした。







END

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