【超!短】何か変な話
神様が言った。



これは夢のなる木だと。




夢は夢でも、『将来の夢』が決まる不思議な木だと言った。




神様は
近頃の地上の人間達は怠け過ぎると言って、試しに夢の実を二粒地上に落とした。



ある男の子がその実を食べると、将来の夢が弁護士に決まり、それを目指して必死に勉強を頑張った。




ある女の子がそれを食べると、将来の夢がスチュワーデスに決まり、それを目指して作法や美しさに磨きをかけた。





神様はたいそう喜んで、その実を地上にバラまいた。





すると、人間達は次々に夢に向かって歩き始めた。





ある日、一人の若者が神様を訪ねてきた。




その若者の夢は神様になる事だと言った。




神様は大変喜び、その男を自分の側に置いた。



男は毎日多くの事を神様から学び、熱心に勉強をした。




その様子を見た神様はある日若者にこう言った。



神に出来ない事はない。


だからこそ常に全てのモノの味方でいなくてはならない。




私はお前の味方でもあるから、頑張っている褒美に何でも願いを叶えてやろう。


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