紅屑の記憶

「母を見殺しにした
この町の人間なんか
一生目を覚まさなければ
いいんだ…って……」


カイは後悔した
ように両手で顔を覆う


「そんなの……
間違ってるんだ…
後になって気付くなんて…

僕はこの町の人達の
時間と未来を奪って
しまった……」


カイの言葉に
イヴは俯く


なら私は……
カイの笑顔と心を
奪ってしまったんだ…


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