紅屑の記憶

「イヴとリシナは
何処から来たんだ?」


墓までの道のりを
三人で足早に進む


「私は東の生まれです」


「リシナは東の生まれなのか
僕とは正反対だな…
イヴは?」



カイの言葉にイヴは
困ったように笑う


「…私は……」


何処だったんだろう…
何処で生まれて…
何処に住んでいたんだろう…


「…イヴは私と同じ
東から来たんですよ」


困ったように笑う
イヴにリシナは
助け船を出した


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