紅屑の記憶

「ありがとう…リシナ…」

行かないよ…
そう言えたら良かった…


でも最後の最後に
リシナに嘘はつきたくない


どんな嘘でさえ
つきたくない…


「…行こうリシナ!
お腹がすいたの」



イヴの言葉に
リシナは笑顔を浮かべた


「えぇ…行きましょう」


リシナに手を引かれ
イヴは広間へと
足を踏み出した



< 279 / 347 >

この作品をシェア

pagetop