紅屑の記憶

「……リシナは…
王子様だもん…」


私は魔剣…
立派なお姫様でも無ければ
普通の人間でも無い



私はリシナに
恋をする事さえも
許され無いんだ……


「……ふふ……楽しかった…
本当に………」



幸せだった……


「十分だね…イヴ……
傍にいれただけ
幸せだったね……」


イヴは自分に尋ねる
ように呟く


「…もう…思い残す事は…
無いよね……?」



イヴは目をつぶった



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