紅屑の記憶

その腕の中で


「……あ……イ…ヴ…?」


リシナは震える
手で剣を握る


「……う…ん……
イ…ヴ…だよ……」


イヴはそう言って
苦しそうに笑顔を浮かべた

その光景を騒ぎに気付いた
周りの人間も息をのんで
見つめている



「…私…は……何を…」


リシナは慌てて剣を
イヴから引き抜き
投げ捨てる


崩れ落ちるイヴを
リシナは抱き留めた



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