紅屑の記憶

「…そんな……私はっ…」


震えるリシナを
イヴは優しく抱き締めた


「……っう…リシナ……
あり…と…う……
私…を止めて…くれて…
あ…りが…とう…」


呼吸を乱しながらも
イヴはリシナを抱きしめる


「…私…あのまま…
リシナも…他の…人間も
傷付けちゃうところ…
だっ…た…」


イヴの顔をリシナは
不安そうに見上げた


「…イ…ヴ……
死なない…で下さい…
私を…置いていくなんて…
許しませんっ…」


リシナは今にも
泣きそうにイヴを抱きしめる



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