紅屑の記憶
「…今日は何処を
探そうかな…」
イヴと呼ばれた
この少女こそが
魔剣という前世を持った
あのイヴだった
イヴは何度も町へ出向き
あの人の姿を探す
「…絶対会える……
だって…私はあなたに
出会う為に生まれて
来たんだから」
イヴは町一番高い
広場から町を見渡した
遠い日の記憶…
本来なら覚えている
筈の無い記憶…
それをイヴは
全て覚えていた
あの人が私の為に
生まれ変わる道を
選んだ場面も私の
記憶として覚えている
そう…これこそが
ルアムが残した
魔法だったのだ
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