紅屑の記憶

「この辺で桃色の
髪を持った紅い瞳の
少女を見かけません
でしたか?」


紫の髪をなびかせ
酒場の主人に声をかける
青年の姿があった


彼こそがリシナ・セイレーン
かつて一国の王子
だった青年だ



「……ん?こらぁイヴ
ちゃんの事かね」


主人の言葉にリシナは
嬉しそうに頷く


「えぇ!イヴの事です!!」



リシナの言葉に
主人は笑う


「イヴちゃんにこんな
美青年がいたとは…」



「…いえ…そんな……
それよりイヴは…」


リシナの言葉に
主人は頷く



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