紅屑の記憶

「…っう……ぐすっ…」


その背中を見ただけで
とめどなく涙が溢れる


それでも足を止めず
走り続けた


やっと見つけた……



「…ぐすっ……シナ…っ!」



涙が邪魔をして
声がうまく出ない


「…シナっ!!」


気付いて……


イヴはもう一度
大きく息を吸った




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