ねぇ、こっち向いてよ。
友達なんてできなかった。
男子も上辺だけだった。
そんな私をさしおいて
会って喋れば
すぐに誰とでも仲良くなる姉が
恨めしかった。
家によく姉の友達が来た。
私が紹介される。
その時姉は、いつもこういうんだ。
『私の妹なの!
カワイイでしょうっ
楓っていうのよ~~』
笑顔で。
顔は似ても
纏ってる雰囲気がまるで違った。
いつも笑顔なのも
うっとうしかった。
あたしに無いものが
全部姉に備わっている。
なんて、
なんて不公平なんだろうか。