ねぇ、こっち向いてよ。



友達なんてできなかった。

男子も上辺だけだった。


そんな私をさしおいて

会って喋れば
すぐに誰とでも仲良くなる姉が




恨めしかった。





家によく姉の友達が来た。





私が紹介される。

その時姉は、いつもこういうんだ。



『私の妹なの!


カワイイでしょうっ
楓っていうのよ~~』




笑顔で。




顔は似ても

纏ってる雰囲気がまるで違った。





いつも笑顔なのも

うっとうしかった。




あたしに無いものが

全部姉に備わっている。



なんて、

なんて不公平なんだろうか。




< 11 / 34 >

この作品をシェア

pagetop