ツンデレお嬢様の初恋
「あ、あたしもビックリしましたわ!ははっ、まさかあの華道で有名な西園寺家のご長男があたしと同じクラスだったとは夢にも・・・」
あたしは努めて平然に装った。
「お互い、名前を偽ってたから無理もないでしょう、ですが、いくらそうであれ鳳様に気づけなかった僕をどうかお許しいただけるでしょうか?」
こいつ!!
西園寺恭冶はあたしにだけ見えるように不適で意地悪そうな笑みをこぼした。
「二人とも、積もる話はまたにして、おじさんたちも混ぜてくれないかなぁ」
はははと笑ながら暢気なことを言ったのは
父様だった。
輝かしいこの場に
美しく光るダイアが胸元に散りばめられたドレスを着る私は
いつもこいつに会うときは地味な格好でしか会わないため
変な気分だった。
あいつの方はというと
にこやかな笑みを続けており
いつもの悪態をついてるような学校での‘佐伯恭冶’はいなかった。
だったら私も
学校での私が嘘かのような華麗さをだしてやるわ!!
そう意気込み、
鳳家長女らしさを存分に披露した。