男装人生


「ずっと見てたけど、そこの赤メガネ!!失礼だと思わねぇのか?」


「何が?」

メガネと呼ばれた奴はいかにも不機嫌そうな顔でそう言い、私の腕をより強く握り直す。


「ちょっと転んだだけじゃねぇか。相応しいとか、怪しいとか、妙ないちゃもんつけるのは失礼だと言ってるんだ!!」

太く凛々しい眉がクイッと上がる。


せ、正義の味方!?



「その子が可哀相だろう?」

"そうだそうだー!!"←私


だよなー
あのメガネひでー
かわいそー

静かに見ていた周りも正義の味方の一声に同調しはじめた。

みんな
ありがとぉー




「あっそう。」


奴はパッと手を離すと皆を睨みつける。

だが、多勢に無勢(タゼイニブゼイ)。

自分に不利な状況だと判断したのか私を見る。

「またね?・・・覚悟しときなよ・・・フフフ・・・」


そう捨て台詞を吐き去って行った。


た、助かった。

怖かったよー!!

初日からこんな目に遭うなんて・・・

運が悪すぎる。

はぁ〜

私の馬鹿・・・


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