男装人生
3人で寮に向かいながら考える。
そりゃあ今日誰よりも目立ってしまった自分の事だ。
クラス中に、いや、理事長までが私に思うことがあるならば大問題だ。
自分は悪目立ちしすぎているのだ。
よりによってクズ以下なんて。
こんな事態になるなんて予想していなかったし、まず、できるはずがない。
私は大きくため息を吐く。
「幸せが逃げるぜ~?」
脳天気な圭也が羨ましい。
希夜のことも気になるし、成績が伸びるかも心配だし、私のことを一体何人の人たちが怪しんでるのとか、いろいろありすぎて。
「れ~いり?」
「うっさい。」
「大丈夫か~?」
「黙れ」
「気にすんなよ?怜悧の事は僕に任せろ。」
何気ないであろう光の言葉がジーンと心に響く。
そうだ。気にしている場合ではない。
光もついてるんだし。
夕日も沈み、街灯頼りに歩く私達。
さっきとの違いは怜悧の足取りが少しだけ軽くなったことだった。
,