男装人生



右頬にピタリとつく少し冷たく柔らかい感触(カンショク)に身じろぎする。

うーん、いい気持ちで寝てるのに・・・


もう片方の頬にも同じような感触(カンショク)に包まれた。


ん?

何?


朝なの?


パチッと予告もなく目を見開く。

早速変な光景が目にうつる。




寝ている私の傍(カタワ)らに身を寄せ、大きな手で頬を覆(オオ)いながら、ジッと見つめている。


私と目が合った瞬間ハッとした表情で固まった表情、その瞬間。



「なにやってんだ、圭也ッ‼」


頬の手を振り払い、圭也の肩を押す。
尻餅(シリモチ)を付き、まだ驚いたままの顔で見返さられる。


「起きてたのか・・・」


イラッ


圭也の頬を片手で強くつまむ。


「イテテテテ~ッ‼」


「油断も隙も無い・・・」


「だから言ったのに。」


鈴音が隅に座り涼しい顔で見ていた。

止めるならもっと真剣に止めてよ~



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