男装人生


「八巳、もうどっか行けよ~」


「いや、お前がどっか行って。」


「なんで⁉」


呆れる圭也に追い出されそうになった光だが、逆に二人きりにさせろと圭也を無理やり部屋から追い出す。
そして再び怜悧の隣に腰かけた。


「・・・」


「・・・」


「・・・・」


沈黙が長い。
怜悧から話しかけた方がいいのか迷い始めたとき、ようやく光が口を開いた。



「・・・最近ずいぶん僕の周りは騒がしい。」


「・・・?」


何を言っているのだろうか。
きっと、騒がしいのは圭也のことだろうけど。



「怜悧のせいだからな。」


え?文句言われてる?


「あいつらと一緒にいるのも、勉強教えるのも。」


ん?

「いやだったの?」


「最初は嫌だったけど、怜悧の為だし、今はそこまで悪くない。疲れるけど。・・・ってそうじゃなくて。」



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