男装人生
うさぎのようなふわふわオレンジ髪の毛にまん丸い瞳。
中性的って言葉がよく似合う。
身長はちっこくて圭也と並ぶと親子のようだ。
パチッと目が合ってしまう。
「あ、オレぇ~?」
間延びした甘ったるい声が耳に障(サワ)る。
白の半そでパーカーに赤のパンツ。
明るい色で統一された服装。
圭也に劣らず派手な出で立ちだ。
うん。
誰ッ⁉
Aクラスじゃないと思う。
こんな目立つ子、気づかないはずないし・・・
「あんた、Aクラス・・・だっけ?」
「ん?Cクラス~。充紀(ミツキ)に呼ばれたんだぁ~」
充紀・・・
今度は誰ですか?
「天世‼オレオレッ‼」
西野くんが、ハイハイって感じで勢いよく手を上げる。
西野くんは白Tの上に胸元にロゴの入った黒の半袖シャツを羽織り、ゆるいジーンズという落ち着いた感じだ。
「西野くん、下の名前、充紀って言うんだ・・・」
知らなかった。
「コイツは幼等部からの幼なじみ。春川 好海(ハルカワ ヨシミ)。」
「ハルって呼んで~」
そう呼ばれたいみたいだ。
確かにハルって感じだな。
「んじゃんじゃ、西野はミッキーな?」
圭也が嬉々として会話に加わる。
すると凛が大きく頷いて圭也に賛同した。
「分かった・・・ミッキー。りん・・・リッキー?」
「おいおい、自分の名前も無理やりミッキー風にしなくていいから。オレももっとカッコイイあだ名にしてよ‼」
凛、無表情なのに相変わらず可愛い。
西野くんはミッキーじゃ不満のようだ。
「可愛いだろ~なッ、れいにゃん?」
ゾワッ‼
鳥肌がたった。
れいにゃんって・・・、キモイ。
軽蔑のこもった目で圭也を見る。
「な、なんだよ。俺は圭ちゃんでいいぜ?」
「うるさい。馬鹿圭也。」
「ヒデ~」
ホント、なんだこのメンバー。
2泊3日。
やってけるかな。
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