男装人生



うさぎのようなふわふわオレンジ髪の毛にまん丸い瞳。
中性的って言葉がよく似合う。

身長はちっこくて圭也と並ぶと親子のようだ。



パチッと目が合ってしまう。



「あ、オレぇ~?」


間延びした甘ったるい声が耳に障(サワ)る。


白の半そでパーカーに赤のパンツ。
明るい色で統一された服装。
圭也に劣らず派手な出で立ちだ。


うん。

誰ッ⁉

Aクラスじゃないと思う。
こんな目立つ子、気づかないはずないし・・・


「あんた、Aクラス・・・だっけ?」


「ん?Cクラス~。充紀(ミツキ)に呼ばれたんだぁ~」


充紀・・・
今度は誰ですか?


「天世‼オレオレッ‼」


西野くんが、ハイハイって感じで勢いよく手を上げる。
西野くんは白Tの上に胸元にロゴの入った黒の半袖シャツを羽織り、ゆるいジーンズという落ち着いた感じだ。


「西野くん、下の名前、充紀って言うんだ・・・」


知らなかった。



「コイツは幼等部からの幼なじみ。春川 好海(ハルカワ ヨシミ)。」


「ハルって呼んで~」


そう呼ばれたいみたいだ。
確かにハルって感じだな。


「んじゃんじゃ、西野はミッキーな?」


圭也が嬉々として会話に加わる。

すると凛が大きく頷いて圭也に賛同した。


「分かった・・・ミッキー。りん・・・リッキー?」


「おいおい、自分の名前も無理やりミッキー風にしなくていいから。オレももっとカッコイイあだ名にしてよ‼」


凛、無表情なのに相変わらず可愛い。
西野くんはミッキーじゃ不満のようだ。


「可愛いだろ~なッ、れいにゃん?」


ゾワッ‼
鳥肌がたった。
れいにゃんって・・・、キモイ。
軽蔑のこもった目で圭也を見る。


「な、なんだよ。俺は圭ちゃんでいいぜ?」

「うるさい。馬鹿圭也。」

「ヒデ~」


ホント、なんだこのメンバー。


2泊3日。


やってけるかな。


.
< 204 / 407 >

この作品をシェア

pagetop