男装人生



「凛?」


その写真には幼い凛が写っている。
3、4才くらいだろうか。
無表情だが可愛い。


樹里ちゃんは怜悧の前に座り、どんとアルバムを開いた。
凛ばかりが写った写真がたくさん貼ってある。


「どう?流石凛さま。可愛らしいでしょう?」


「うん。」


だけど・・・

何かおかしい。


あれ?

全部同じ顔?

場所、状況、服装、季節など全て違うのに、なんで同じ表情なのだろう。



他のページもぺらっとめくる。


だが、全部無表情の凛。


「笑った写真は無いの?」


「全部見てみていいわよ。」


ずらりとならんだアルバムを指さし、質問には答えずそう言った。

これ全部かよ・・・
態度から凛に随分惚れ込んでいると思ったがここまでとは。。。


よく見ると背表紙に200と書いてあるから、200冊以上あるのだろう。
数枚あるくらいは可愛いが、これほどあると怖い。
身近なストーカー的な?


「一番初めと、中間と、最新のアルバムを見せて下さい・・・」


ありすぎてわからないのでとりあえず樹里ちゃんに持ってきてもらうことにした。



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