男装人生


撮ってきてあげたいのは山々だが何せ学園には希夜がいる。
写真なんか撮ってたら怪しまれそうじゃないか?

実際、写真撮っている人なんかいないし・・・



「・・・希夜がいなければなぁ・・・」


「希夜って、高龍寺 希夜?」


「そうだけど・・・」


何で樹里ちゃんが知っているのだろう。
ヤツの恐ろしさは、ここまで広がっているということだろうか?


「高龍学園の中等部に侵入してた頃、バレて捕まったことがあるのよ。」


「ひぇーーーやばいよ、それ。」


「警察に引き渡すって言われて、怖くなって、凛さまの名前を出したのね。そしたら逃がしてくれて・・・それ以来メル友よ。」


え?
なんて?
メル友っ⁉


「希夜なら協力してくれるかもしれないわ。」



樹里ちゃんはなにを言っているんだ。
アイツの恐ろしさを知らないからもぉ~


「俺、希夜に色々怪しまれてるんだって。協力なんて絶対無理・・・」


「あら。もうバレかけているの?敵になってるなんてついてないわね。」


確かに。
あんなヤツが敵にまわってしまうなんて・・・


「でも、凛さまの友達でもあるんだし、そこまで悪いようにはしないんじゃないかしら?あの人、意外と仲間思いなのよ?」


「樹里ちゃんは何も知らないから~」


希夜、友達が目の前にいても容赦なかったし・・・


「何も知らないって、何かされたの?貴方、まだ学園にいるじゃない。」


そう言われると・・・
いろいろあったが、これといって挙げられるような事柄もない。

バレて、身体を締め付けられて、壁ドンされたくらいだ。


ただ、希夜は私の知らない何かを知っていて、核心には触れないくせに"知ってるんだよ"とからかい私を動揺させる。

特に、理事長の件。

自分まで感情を露わにしちゃって。
一体何で怒っていたの?
何を知っているの?

女だとバレているは分かってるのに、他にも秘密を握っているかもしれない希夜が怖かった。


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