男装人生
「ほら。怜悧?こんな所で寝ないでちょうだい?お風呂に入って寝るわよ。」
夕飯を食べて、アルバム鑑賞をしていたのだが、いつの間にかうたた寝をしてしまったらしい。
「うーん・・・」
「明日も早いんだから起きなさい。」
え?
早い?
まさかっ⁉
「また、アルバム鑑賞⁉」
悲愴に満ちた顔で樹里ちゃんを見遣る。
「なに⁉その顔。残念ながらアルバム鑑賞じゃないわよ。」
憤慨したように眉を寄せる樹里ちゃん。
よっしゃー‼
今までずーーーーっと見てたけど、暇すぎて死ぬかと思った。
「なにするの?」
「せっかくこの街へ来たんだから案内するわ。」
やったーーー‼
樹里ちゃんの言葉に飛び上がって喜ぶ。
どこ見るんだろう。
皆にお土産も買わなきゃ。
「だから早く寝ましょ。」
怜悧は明日への期待一杯に立ち上がった。
それからの怜悧は今日一番の動きを見せたという。
樹里ちゃんが言うにはカラスの行水が終わったかと思えば、一瞬のうちに寝ていたとさ。
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