男装人生
まさか希夜の方からお土産催促(サイソク)されるとは・・・
買ってて良かった・・・
鉛筆で希夜と書かれたお土産袋をカバンから取り出し、希夜に渡す。
「はい。」
「は?」
希夜のヤツ本当に用意してると思っていなかったらしい。
驚きすぎて受け取ることも忘れている。
希夜が間抜け面になってるし・・プププ~
そうか、性格の悪い希夜の事だ。
お土産買って来なかった私をイジメるつもりだったに違いない。
「要らないの?」
ちょっとだけ強気で言ってみた。
するとほんの少ーしだけ希夜の顔が赤くなる。
そして、みるみるうちに不機嫌になってしまった。
今日は怜悧が上手のようだ。
いつもやられっぱなしだから気分がいい。
希夜は不機嫌なままお土産を受け取り、袋を開ける。
チョー無難な緑の石のストラップが出てきた。
実を云うとお土産選びは希夜が一番悩んだ。
なに買ってきたって嫌味言われそうで。
この石はあの町の特産品だと聞いたし、綺麗な色をしていたから見つけたときはこれだと思った。
希夜は一時じっとお土産を見ていたが、ニヤリと笑いこっちを見た。
「「ひっ」」
「ありがとう。これを怜悧だと思って一生大事に身に着けるよ。」
「そ、そうか・・・はは・・」
怖い。
なんか怖いよーー
隣で聞いていた圭也までビビっていた。
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