男装人生



「お土産やろうと思って。」


それは建前で、試験頑張ったのを褒めてもらいたいのが本音だ。


「へぇ。ありがと。僕、誰かからお土産もらうの初めてだ。」


「えッ⁉」


ずっとぼっちだったのだろうか。
光の発言はたまにドキってさせられる。


「なにこれ・・・」


中身を見た光はあんまり嬉しそうな表情じゃない。
見慣れたら、ハマるんだけどな。
光にわかるかな?


「俺とおそろっ‼」


「男同士でオソロ?」


しまった‼
男の子ってお揃い買わないの⁉
女学園育ちの怜悧にはそこら辺、全く分からない。

気持ち悪いと思っただろうか・・・

しゅんと肩を落とす。


「怜悧って、ほんと面白いよね。」


「面白い?」


「変なヤツだし。怜悧もつけるなら、使ってやってもいいけど。」


失礼な事言われてるはずなのに、ぱぁっと気分が急上昇する。
最近光が原因で一喜一憂している自分がいる気がする。

どうしたんだろ・・・私。



「じゃあ携帯につける。・・・って、そんなことより、最近俺のとこ来てくれないよ・・・な。」


「?」



「試験の後とか、発表の後とか・・・」


やっぱ忙しかっただけかな?

段々と自分の発言に気恥ずかしくなってくる。



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