男装人生



こんなひどい事するなんて・・・

Dクラスの奴らだ。


「誰にやられたの?恭の弟?」



「アイツらは直接手を下すような、バカじゃない。」



「じゃあ、命令したの?」



「恭貴は立場上、人を使って追い詰めてくるけど、オレをどうにかしたいほど興味を持ってるわけじゃない。」


「?」


それはどういうことなの?


「竹吉の弟はDクラスの中では成績もいい方だし、そこまで鈴音に固執(コシツ)する必要ないってことだろ。表向き、リーダーみたいなことやってるから自分達の立ち位置を見せつける為にクズをイジメてるんだろうね。」


呆れた・・・
自分のポジションを守るために誰かを傷つけてるなんて。


じゃあ、今回のは・・・



「成績最下位の奴らと、ただ面白がってる奴ら。」



最下位の奴らは自分に降りかかってくるであろうクズの腹いせなんだろう。
だけど、ただ面白がってる奴らって何なんだ。

理解できない。



「そういうヤツもいるからね。」


ズンと気持ちが重くなる。
そんな奴らが沢山いるクラスで鈴音はどれだけ辛かっただろう。

考えるだけで胸が痛くなる。



「そんな顔しないで。オレ逃げるの得意だから、そこまで酷い目にあったことない。」


そんな泣きはらした目で言われても説得力ないよ。
辛いのには変わりない。

鈴音にはAクラスで楽しい学生生活を送ってもらいたい。
そう強く思った。

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