男装人生






昔の私はとにかく変わった子だった。
何をするにも、やらなければいけないことの真逆の事をするし、人とどこか感覚がズレていた。

今思えば、あの頃の私は皆と違うことをするのがカッコイイと思っていたに過ぎない。
だが、その小さなこだわりが確実に玲李を拗(コジ)らせていた。



まわりはスムーズに友達を作ったりしているのに、

女学校の幼少部に入学してからずっと。


変わり者として、クラスにいつまでも馴染めずにいた。


それは小学部に上がってからも変わらない。



その事実に物心つき始めた玲李の心は少しずつ閉ざされていった。


明るく活発だった姿は無くなり、部屋にだんだんと引きこもるようになった。

たくさんの人がいる中での1人より、部屋の中で1人の方が断然にいい。

今更、声のかけるなんて憚(ハバカ)れる。

いや、かけかたが分からないんだ。




だが、そんな玲李を心配してお父様がきーちゃんとみーちゃんを連れてきた。




独りぼっちだった玲李に手を差し伸べる眩しすぎる二人の天使。



そう、初めて会った時は・・・


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