男装人生
「大好きですよ?一緒にいて楽しいに決まってるじゃないですか。」
俯く玲李に優しく微笑む、みーちゃん。
良かった。
いつものみーちゃんだ。
ホッと安堵するのもつかの間、みーちゃんは立ち上がる。
「・・・もう、こんな時間ですね。そろそろ帰りますね?」
「えっ?まだお昼なのに?」
折角朝に来たというのに。
まだ、話したいことや、したいことなんてたくさんある。
いや、一緒にいるだけでいい。
なのに
おかしい。
みーちゃんは聞こえなかったかのようにスタスタと遠くに見える庭の出口へと向かう。
みーちゃんは同じ気持ちではないのだろうか。
玲李は急いでみーちゃんに近寄り、引き止めようと手を腕にかけた。
だが、その手はサッと払われてしまった。
思わず立ち止まってしまう。
やっぱり何かがおかしい。
大好きだって。
楽しいって言ったのに・・・
みーちゃんはどんどん道を進んで行く。
3年前はよく3人で遊んだバラの迷路道。
玲李がよくそこの茨で怪我をし、ここで遊ぶことが禁止になってから久しぶりに通る。
出口まで、ここを通らなくったって行けるのに・・・
みーちゃんが玲李をわざと遠ざけたがっているように感じてしまう。
胸が締め付けられたように痛い。
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