男装人生
夢から覚めたとき
―――――――---‐‐
――-れい――れいりっ
近くで声がする。
どうしたんだろう・・・
生暖かい何かが頬を伝う。
なぜか目頭が熱くて、鼻の奥がツンとした。
「れいりっ・・・れいり?」
あんまりにも私の名前を呼ぶものだから、目を開けてみた。
多分この声は圭也だろう。
部屋の明かりが眩しくて、顔をすぐに見ることができない。
そっか私、具合が悪くて寝てたんだった。
上半身を起き上がらせ、瞳を瞬(マタタ)かせた。
「んっ?」
「れいり~大丈夫かぁ?」
徐々に圭也の焦った顔が見えてきた。
そんなに慌ててどうしたんだろう。
頬に違和感を感じて、手で押さえる。
え?泣いてるっ⁉
慌てて涙を拭った。
そして、布団を頭から被り、顔を隠す。
またベットに逆戻りだ。
「具合悪いのか?怖い夢でもみたのかっ?なんか欲しいものあるっっ?」
なんで泣いてるのっ⁉
圭也に泣き顔見られたしっ‼
圭也は泣いている私にビックリして1人ワタワタしている。
恥ずかしい・・・
でも、今・・・
凄く懐かしくて切ない気分なのはどうしてだろう。
悲しい夢でも見たんだろうか。
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