男装人生
講堂内は不自然なほど静まり返っている。
その中央の壇上にいるのは恐ろしいまでの存在感を放つ希夜だった。
小柄で綺麗な顔を塗りつぶすかのような、歪んだ表情と見下すような視線。
怖くなり希夜の決意表明の間ずっと下を向く。
CクラスとDクラスから希夜を悪く言う声が飛び交うが希夜によってばっさりと切り捨てられる。
中にはその場を立ち去る者もいたが、”あいつらはこの学園にふさわしくない。退学にしてしまおう”その発言に大多数は大人しくなった。
これじゃあ学園の独裁者だ。
ま、怒らせたらヤベー奴だってことは分かった。
今まで出会ったことのない人種で、これから付き合っていくことへの不安が大きくなる。
でも、それ以上に好奇心が勝(マサ)った。
今この学園で友達になれるとしたら、希夜しかいない。そう思った。
次の日のお昼。
覚悟を決め、俺は希夜が待つあの場所へ向かった。
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