男装人生
「ただいまー」
「お邪魔します。」
自宅へはあっという間についてしまった。
「あら?」
家に入って早々、お袋に見つかった。
俺が希夜を連れてきたことに驚いて固まってしまっている。
「あらあら?」
「げっ!」
なにかを感じ取り今度は2階の部屋からねぇちゃん達がやってきた。
「なんだなんだ?」
「げげっ‼」
極めつけはリビングから赤ん坊を抱いた親父とばあちゃんが。
見つかりたくなかったのに、よりによっていっぺんに見つかって囲まれてしまった。
勢ぞろいかよ・・・
俺の顔は引きつっていることだろう。
希夜は囲まれていることを気にすることなく、なぜかメガネを取り自己紹介を始める。
「初めまして。圭也くんの友達の高龍寺 希夜です。今日は一緒に勉強するためにお邪魔しました。よろしくお願いします。」
丁寧な口調でそう言った後に、ニッコリと微笑む。
「まぁ、可愛らしい。」
お袋もつられて微笑んでいる。
てか希夜のヤツ、こんな顔も出来るのかよ!
間近で見ていた俺はギョッとしてしまった。
学園での顔と違いすぎだ。
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