男装人生
それからの俺は誰よりも家族と仲が良いと豪語するくらい、家族を大事にしていた。
「このくるみ、可愛いだろ~?」
それと見事なシスコンになっていた。
「可愛いけど、そろそろウザい。圭也が。」
「一体何枚撮ってるんですか?」
希夜と恭一にうんざりした顔で見られる。
かれこれ何百枚も見せていたのだ。
可愛いは可愛いが何百枚も見せられる身としてはたまったもんじゃない。
恭一は、図書館に用事があったんだとそそくさと逃げていった。
圭也は残った希夜にジト目で見られ、やっとカメラをしまう。
あれから1年が経った。
初めて出会ったいつもの場所で集まる日課はずっと変わらない。
Aクラスに圭也がなった今でも何故かここに来る。
「やっと白神から解放されたぜっ!」
「圭也なんて目にも止まってないと思うよ。」
「いやいや、存在だけでこっちが疲れるんだよな~」
2年生になって、この学園でやっと自由を感じていた。
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