男装人生
「っ、ひゃなせよ―――っ‼」
「ちゃんと答えたらね。で、何の用?」
いつものことながら間合いが異常に近い。
「うっ…」
ゆっくりとした動作でもう片方の空いた腕を壁につく。
さらに縮まった距離に、息が詰まりそうだ。
いつか絶対セクハラで訴えてやろう。
そう心に誓った。
「ひょっとひゃなししょうってほもって。」
「ふーん」
希夜が頬を挟んでいるせいでうまく喋れない。
今ので分かったのだろうか?
多分わかんなかったんだろうな。
やっと離してくれた。
.