男装人生



「知ってると思うけどこの学園は幼、小、中、高、大のエスカレーター式。でも高校だけ特別で、施設も別だし、半分の生徒が学園の進学試験に落とされる。」


し、知らなかった・・・


「・・・なんで落とされるんだ?」


「答えは単純だよ。要らないから。半分は学園の生徒、もう半分は全国各地から来た優秀な生徒になるんだ。そのおかげで学園のレベルがぐっと上がるんだよね。学園としては将来有望な生徒だけがほしいんだろうけど、運営するために中学までは金銭重視。」


「そしたら、中学まで学園に通う必要ないじゃないか⁉」


中学まで他のとこ通って、ここに受験すればいいじゃないかって思う。


「学園に今まで高いお金を払っていた救済措置として、半分の生徒は必ず進学できるし、中学まで学園に通っていたことは経歴として無駄にならないから、幼少部から学園に入る生徒が多いんだ。」


「怜悧〜、学園外から来たヤツらの競争率ハンパなかったろ〜?」


そうか・・・
学園内の半分と外部の半分じゃわけが違うんだ。
全国からこの学園を受験しようと大勢の人が受けに来るわけだし。


そういえば・・・
この学園に入るには相当な努力をした。

成績はいい方だったのだけれど"今のままでは無理"と言われたことを、よ〜く覚えている。


「あぁ、俺もギリギリ入ることができた。」


「いや、Aクラスだからギリギリはありえないよ。」


架依斗がちょっとびっくりした顔をする。



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