太陽が昇るまで
その本を見ると、私も読んだことのあるミステリー小説だった。
"ミステリー小説"というところにまた恐怖を覚えたが、
勇気をふりしぼり辺りを見回す。
すると、
「せーんぱい」
という声がして、声の主を探す。
そして、その声の主はすぐ見つけることが出来た。
「……藤永くん?」
「あたりっ!」
彼、藤永 ハルは学校でも有名で人気者の1年生である。
お父さんは有名な政治家で、
お母さんは社長の子供らしいから
凄いお金持ちってゆう噂だし、
何より、ルックスがいいらしい。
栗色で少しウェーブがかかったふわふわした髪。
大きな瞳に小さな顔。
背もそこそこ高くて運動神経抜群、頭もいいらしい。
本当に完璧で、皆"高嶺の花"だといってむやみに近づいたりしない。
それに告白は、どんな可愛い子でも断るんだって。