太陽が昇るまで
「てか、どうしてここに?」
「先輩に会いたくて!」
「は!?」
「先輩うるさーい」
「ごめんごめん。」
突然、藤永くんが意味分からないことを言ったため、かなり大きな声が出たみたいだった。
「先輩いつもここにいるでしょ?」
ニコニコしながら、そう口にして藤永くんは近づいてくる。
「何で知ってるの?」
「……いつも先輩を見てるから。」
「……え?」
急に真顔になった藤永くんに密かにドキッとして、心臓が激しく動き出す。
「先輩、鈍すぎる。」
そう言って、その小さな顔を大きな手で隠す。
指と指の間から見えた藤永くんの頬は、ほんのりピンク色をしていた。