お砂糖少々。
「当事者は気がつかないっていうしねぇ…。」
遠い目をして衣鶴が言う。
「?」
「あー、ドーナツ食べる?」
「ああ、ありがとう。佐々木にはあげないの?」
「今なっつんと仲良く話してるからなぁ。」
※なっつん…奈津那のこと。
前を向きながら衣鶴は話す。
「佐々木ってさ、普段何にも興味なさそうに見えるけど、意外と何にでも熱心で、そーいうとこが私は好きなのかなー。」
「……………。」
「まぁ加藤には蓮無がいるしね。」
「だからどうして蓮無?」
そのうちわかるよ、と衣鶴は笑いながら佐々木たちにドーナツを配りに行った。