お砂糖少々。

遅刻。


幼い時から
遊園地に行く前とか
遠足の前とかは
わくわくして
眠れない。遅刻をしかける。




そんな俺って子供でしょうか。


『なんでなんの連絡もなしに3時間も遅刻したの?信じられない!』


『だからって会った瞬間ビンタはないだろ』



『どうして、ごめんの一言が言えないのよ?』


久しぶりのデートに俺は遅刻した。


3時間も彼女を待たせてしまった。


悪いとは思うけど、会った瞬間にビンタされたのには腹が立つ。だから俺からは絶対謝らない。



『はぁ』
電話越しに聞こえる愛里の溜め息。


『もぅいいよ。じゃぁね。』


何も返事をしないうちに電話を切られた。


すぐにメールの着信音。


【夢の中で会おうね。今度は遅刻しちゃダメだよ。From:愛里】



……なんだよ、夢の中って。


……………。


ダメなんだってば。また遅刻してケンカになる。


楽しみなことがあるときは遅刻しちゃうんだって。


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