キケンな実験室-白衣の王子様-

「……やりました! あたくし、やりました!!」

「うむ」

「今月は毎日遅刻しました……」

「よろしい」


素直に認めたあたしに一瞬優しい顔を見せたかと思うと、先生は意地悪そうな表情を浮かべこう言うんだ。


「今日はとりあえず、ビーカーなどを100個洗ってください」



それはもうご丁寧な口調で。

逆に怖い。



「毎日ノルマありますから。がんばってね」

天使の笑顔で悪魔みたいなこという。


「……はい」

あたしの返事に、先生があたしの髪をくしゃくしゃと撫でる。




手、おっきい……。

なんかズキンとするよ、胸が。

何だろ?

これ。

< 42 / 89 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop