キケンな実験室-白衣の王子様-
災難続きのこの髪の色。
お母さんは「自分も昔そうだったから大人になれば黒くなる」って言ってたけど、ならねーぞ、おい。
あたし、まだ子供ってこと?
あーやだやだ。
そんなこんなで入学当初から浮いちゃってたあたしに声をかけてきたのが、イッチー。
「やぁん。赤毛のアンみたい★ 僕あのミュージカル大好き」って。
変わったやつ。
一瞬にして走馬灯劇場を開幕させていたあたしに、先生が触れる。
膝においていたあたしの手に、自分の手を重ねた。
「……すみません。本当無神経ですね」
先生はイスに座ったあたしに跪くようにしゃがみ込み、そして見上げた。
ナニ……?
キョリ、近いよ。