キケンな実験室-白衣の王子様-
「いやーねー。あたしは外見が男なだけで、心は正真正銘の女!」
「そりゃ知ってるけどさー」
「あんたなんて女らしくないくせに、胸だけ人並みにあるとはむかつくわね」
「うっせーよ、イッチー」
そんなこんなで疲労倍増させるプロフェッショナルのイッチー氏(心は女)と一緒に帰ることになった。
校舎を出ると、辺りはもうすっかり夜。
「ねーねー。今日はどうだった? 先生はどうだった?」
「んーん。疲れた」
ほんと色々な意味で疲れた。
「ねーねー、先生は? 先生は?」
「……知らん」
あたしは冷たくイッチーの話題を遮断する。
「もっと聞かせてよー!!」
「イッチー、うるさいよ。あたし、疲れてんのー」
「もうっ! 意地悪っ」
ぷんぷんしたイッチーは、相変わらずあたしに腕を絡めたままだ。