キケンな実験室-白衣の王子様-
そのうるさいイッチーは相変わらず質問攻めしてくる。
「……イッチー、石返せや」
イッチーはあたしの言葉を無視して、自分の興味を追求する。
「ノノ、先生の名前は何?」
「菊池先生」
「下の名前は?」
「おさむ」
「そうよ!!!! 正解」
イッチーは興奮したように手を叩く。
「この『理』は『理科の理』じゃなくて、『菊池理』のおさむよ!」
「えー、違うよ」
「違わない!」
何で、イッチーはこんなに自信満々なの?
「だって先生がそう言ってたもん……」
「これは先生の愛の言葉ね」
「……はぁ」
「ちょっと、ノノ! 下ばかり見て石を探さない!」
……バレたか。
足元ばかり見ているあたしに、イッチーが声を荒げる。