キケンな実験室-白衣の王子様-
「んんー。なんでそう思うの?」
「だって理科実験室なら『実』でもいいじゃない」
「じゃあ、ミノルって人があたしのこと好きなの?」
「はぁ? 何訳分かんないこといってんの。ノノったら」
分かんないのは、イッチーだよ。
「そんなこといわれてもなー、イッチーの話よく分かんない」
「マーキングよ」
「まーきんぐ? 何それ」
「これは自分のものだーって、印をつけるの。動物ってね」
「……自分の」
「そうだよ!」
イッチーの言葉に熱がこもる。
自分のことのように熱くなるイッチーをただぼーっと見てた。
ウソ。
石を探してる。
「ノノ! 石は探さない!!!」
またバレる。
「分かったよー、もう」
あたし、諦める。