キケンな実験室-白衣の王子様-
洗ってるとき、結構無言の時間が続いたりする。
それって結構気まずい。
って、まさに今なんだけどさ。
あたしの隣に座った先生が、ビーカーを磨いてる。
先生、指長いな。
キレイな指してる。
時々、チョークの白い粉がついていてそれが面白い。
先生の長くて細い指を見ていると、上から視線が……。
ふと見上げると、先生と目が合う。
吸い込まれるようなその少し茶色い瞳から目を離せない。
何秒か。
何分かにも感じるこの時間。
見つめ合う。
目を、離さなければと思うのに。
それができない。