強がり
強がり
「もしかしてさ…愛してるって言葉信じたの?やっぱり馬鹿だね。君は」
彼はそう言って綺麗な顔で微笑んだ。私は彼のこの笑顔が好きで、この笑顔を見る為なら何だってした。
彼にとって私は都合の良い女。
でも私はそれで良かった。だって私、彼の事愛してないから。私が愛してるのは彼の笑顔。それ以外にはこれほども興味が無い。
「私が貴方の言葉を信じてるとでも思った?やっぱり貴方は顔だけね」
私も彼と同じ様に綺麗に笑った。私みたいな普通の女が綺麗に笑ってみた所で、どうにかなる訳では無いけど。
「…ねぇ、貴方が私をどう思ってたか何て全く興味無いけど、これだけは覚えておいて。私は貴方自身を愛してた訳じゃ無い。勘違いは止めてね」
間抜けな顔をしている彼に背を向け、私は歩き出す。
彼の笑顔はもう見れない。
そう思うと少しの悲しさと良くわかんない気持ちになって、頬に何かが伝った。
でも意味が分からないから気付かないフリをしようと思う。
懺悔録
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