執事と共に日常を。
「どうして、こんな……」


驚いたのか、その先の言葉が出てこない。


「レシートは感熱紙で出来てる。その性質を使ったんだ」

「え?」

「感熱紙は熱を受ければ黒くなる。けれど、白い部分だけそれが剥がれていたんだ」

「どういう、ことだい」

「文字が掠れていただろう。多分、消しゴムが何かでこすった痕だ」

「だから、剥がれた部分だけ黒く染まらずに浮き上がってきた、と……」

「そういうことだ」
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