執事と共に日常を。
カンザキは、静かにその文字を見つめていた。

雪のように白く浮かび上がった文字は、数式のように美しかった。


「……好きだって、言わなくなった、って話したんだ」

「倦怠期、みたいなものか」

「そうだね。今更ってなっちゃって。……その矢先に、貰ったレシートだったんだよ」


春樹は、なんて返したらいいかわからずに視線を泳がせた。
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