執事と共に日常を。
「……ええ、その通りです。お嬢様」


春樹は、恵理夜の手を取った。


「主を、試すような真似をして、申し訳ありませんでした」


その手を自分の胸に押し当て、丁寧に頭を下げた。

恵理夜の表情が、一気に緩む。

まるで、迷子になっているところを見つけてもらった子供のように。
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